光の性質


 虹は赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の7色からできている。このような目に見える光を可視光線と呼び、単に光といった場合、可視光線を指す場合が多い。可視光線は携帯電話の電波と同じ電磁波の一種で、電磁波は、波長の長い方から電波、赤外線、可視光線(光)、紫外線、X線・γ線と名前が付いている。

光の性質


 光は電磁波の一種であることからも分かるように、波だ。また、電磁波が波長の長さで名前が違うように、光も色によって波長が違う。赤色が最も長く紫色が最も短いと覚えておこう。

 また、光には速さがある。真空での光速をcと表すと、

であり、物質中だと遅くなる。

 また、これまでに紹介してきた反射・屈折・回折・干渉といった波の現象は光でも起こる。特に、遠くの星が離れているときに光の赤色が強調される現象を赤方偏移、近づいているときに光の青色が強調される現象を青方偏移という。これは光のドップラー効果である。

 

 太陽光を三角形のガラス(プリズム)に通すと、光は虹色に分かれる。この現象を光の分散と呼び、現れた光の帯をスペクトルという。また、分散によって分かれたそれぞれの光を単色光、元の光を白色光という。

 

 光が空気中の微粒子などに衝突してあちこちへ進行方向を変える現象を、光の散乱という。日中の空が青いのは、波長の長い赤い光よりも、短い青い光の方が散乱しやすいためである。

 

 光は進行方向に垂直な方向に振動している横波である。ただし、この振動方向はいろいろな方向を向いている。これを自然光という。また、偏光板などを用いてこの向きを揃えたとき、この光を偏光という。

屈折率


 媒質①から媒質②へ波が進行していくとき、次のような屈折の法則が成り立つのだった。

この式は光の屈折でも成り立ち、n(1→2)は媒質①に対する媒質②の相対屈折率という。また、媒質①が真空のとき、nを媒質②の絶対屈折率という。ここで媒質①②の絶対屈折率をそれぞれn1,n2とすると、相対屈折率n(1→2)は、

だから、屈折の法則の式は、

となる。分母と分子の添え字に注意。屈折率の部分だけ1と2が入れ替わっている。このままだと、扱うときに非常に間違えやすいので、この式をそれぞれ、

とバラして覚えてしまうのがおススメだ。例えば3番目の式の場合、「媒質①をsin i で通過して、媒質②をsin rで進む」というように、光を追いかけながら式を作ることができる。

全反射


 水中に光源を置くと、水面で光は反射・屈折する。このとき、入射角iをどんどん大きくしていくと、ある角度を境に光が水中から出てこなくなる。この現象を全反射といい、この時の角度i_0を臨界角という。

 臨界角i_0が満たす条件は、の屈折率をnとすると、屈折の法則から、

である。