単振動


 等速円運動をする物体を真横から見てみると、上下に行ったり来たりという運動をする。この運動を単振動という。

単振動


 冒頭で紹介したように、単振動は等速円運動の「射影」だ。だから、等速円運動を考えて式を作ることができる。例えば、半径Aの円周上を等速円運動をする物体の位置を角度「θ=ωt」で表すと、単振動する物体の位置は、その射影を考えればいいから、

である。単振動の式に使われるωを角振動数という。


 同じように図を考えると、単振動をする物体の速度加速度も求めることができる。

加速度の式にマイナスが付いているのは、位置xを示すベクトルとは逆向きであることを強調するため。

 ここで、変位xと加速度aの式を比較すると、次のような式が出来る。

これを単振動の式という。

 ところで、等加速度直線運動の場合には、変位xと速度vと加速度aの間に微分・積分の関係があった。実は今回もその関係は成り立っている。

ばね振り子


 単振動の問題では、その周期Tを求めさせられることが多い。次はその手順を見ていこう。

①運動方程式を立てる。

②運動方程式を「a =」の形に変形する。

③単振動の式「a=-ω2x」と比較をして角振動数ωを求める。

④角速度の関係から周期Tを求める。

この①~④の手順をしっかりと身に付けよう。

単振り子


 振り子の動きも単振動だ。この運動の周期も求めてみよう。

①運動方程式を立てる。

②運動方程式を「a =」の形に変形する。

 ここで、θの値が非常に小さいとき、

 だから(テイラー展開)、

③単振動の式「a=-ω2x」と比較をして角振動数ωを求める。

④角速度の関係から周期Tを求める。