極座標の運動方程式


直交座標


 物理では時間tで微分することが多いので、これを

のように頭に「・」を付けて表すことにする。もちろん、xの1回微分は速度v、2回微分は加速度aだ。

 こうすると、1次元上を運動する物体の運動方程式は、

と表せ、また、平面上を運動する物体の運動方程式は、

と表せる。

極座標


 平面上の物体の位置を表す座標として、(x,y)の他に(r,θ)もよく使う。そこで今回は、(r,θ)方向の運動方程式を表すことを目標にしてみよう。

 まず、(r,θ)と(x,y)のあいだには

という関係がある。また、r方向とθ方向の単位ベクトルer, eθのx成分、y成分はそれぞれ

だから、x方向とy方向の単位ベクトルex,eyを使って

と書くこともできる。

 ここで、速度vのx成分、y成分はそれぞれ

であるが、これをまとめると

と書ける。これは、速度vの(r,θ)成分がそれぞれ

ということを意味している。

 では、速度vを時間tで微分して加速度aを求めよう。素直に計算すれば

である。ここで、ex,eyは一定だからその時間微分が0であることに注意して、

を計算して代入すれば、加速度aは

となる。つまり、aのr成分とθ成分が

ということである。

 よって、力Fを

と表せば、r方向とθ方向の方向の運動方程式は、

と表されることになる。