変分原理


 関数

上の点をδxずつ動かしていくとき、上に凸な部分や下に凸な部分の周辺では、y方向の変位δyが限りなく0となる。このような場所を極値という。

オイラー方程式


 続いて、関数F(x,y,y’)をxで積分した量を考えよう。

この量は、関数yによって決定される。値xによって決定される関数yと比較して、この量I[y]を汎関数という。

 汎関数の極値を考えるためには、関数yを少しずつ変えながらIを求め、その変化δIが0になるようなyを求めればよい。このδIを変分という。

ここで第2項は

となり、f(a),f(b)の位置を固定すればその周辺でδy=0だから、[ ]の計算結果は0となり、変分δIは

となる。よって、δI=0のとき、

であればよい。これをオイラー方程式という。

最速降下曲線


 A点からB点へ物体を落下させるとき、最も早くたどりつく道筋を求めよう。

 この経路の長さlは、微小長さds

を積分すれば求められる。

この物体が長さlの経路を通過する時間Tは、物体の瞬間の速さをvとすれば、

で計算できる。瞬間の速さvは力学的エネルギー保存則から

と求められる。

あとは、関数Fを

とすると、

だから、オイラーの方程式は

となる。あとはこれを解けばいい。

だから、定数を適当に置いて変形していく。