地震波はさまざまな振動数の波が重ね合ってできている。そこで、どの周波数の波がどれだけ含まれているのかを知るために、元の波形(位置や時間の関数)を周波数の関数に書き変えたりする。この作業をフーリエ変換という。
-π~πごとに同じ形を繰り返す周期関数f(x)がある。これを、
と表す方法をフーリエ級数展開といい、cやa1,a2,b1,b2などをフーリエ級数という。
それではフーリエ級数を求めていこう。
であることに気を付ければ、両辺を-π~πの範囲で積分することでまずはcが求められる。
次に、
であることに注意して、f(x)の両辺にcos xを掛けて積分すると、
a1を求めることができる。同様に、
であることに注意して、f(x)の両辺にsin xを掛けて積分すると、
b1を求めることができる。a2,b2,a3…についても同様に計算していくと、フーリエ級数an,bnは、
ということになる。
ここで、n=0のときのa0より、
ということが分かる。そこで、今後はf(x)を
と表現することにしよう。Σ(シグマ)記号は、n=1~∞の数字をすべて足し合わせるということを意味している。
sinとかcosを使って表すとどうしても長くなってしまう。どうにかしてこれを短くする方法はないだろうか。そこで、複素数を利用する。オイラーの公式より、
という2種類の関係式が分かる。これらの式から、
を求めることができるので、これを使ってf(x)を書き変えると、
ここで、
より、
となっていることがわかる。そこで、
とおこう。すると、
だから、f(x)は、
と表すことができる。
これまでは-π~πの周期関数を考えていたが、今度はこれを-1~1だとか-10~10のような周期関数に拡張して考えよう。周期関数f(x)の範囲を-L~Lとすると、
または
と、まとめることができる。
これで、-L~Lの周期関数を表すことができるようになった。ところで、これを-∞~∞の範囲に拡張できれば、どんな関数にも対応できるようになるはずだ。とりあえず、
という方向で考えていく。いま、
とおいて上の式を書き変えてまとめると、
となる。ここで、nΔωはn番目のωという意味だから、これをωnと書き変えることにしよう。
長くてややこしいので、
とおけば、f(x)を
と書き変えることができる。L→∞のときΔω→0であり、このとき、シグマ以降は横軸ω、縦軸F(ω)eiωxのグラフの面積を表しているわけだから、積分形式で書き直すことができる。
これで、xの関数f(x)をωの関数F(ω)に変換することができた。F(ω)を、f(x)のフーリエ変換という。