一般化座標


 ラグランジュ方程式は、1次元の運動の場合、

と表され、2次元の運動の場合には、x→yと置き換えた式が増えるだけでよく、また、極座標を用いる場合にも、x→r, θと置き換えた式を2つ作るだけでよかった。さらに、3次元の運動の場合にはx→zやx→φと置き換えた式を追加するだけでいいのだ。

 つまり、ラグランジュ方程式は座標の取り方によらず同じ形の式で表され、運動の自由度の数だけ同じ形の式が作られるということになる。そこで、座標qi(i=1~自由度の数)使って、ラグランジュ方程式を次のように表そう。

このqを一般化座標という。

3次元から3N次元へ


 また、今までは1つの物体の運動を見てきたけれど、N個の物体の運動を記述する場合には3N個の式を作ればいいから、i=1~3Nと考えればいい。これだけの式を並べるのは大変だが、上の式だけで意味は分かるのでとっても便利!

 ところで一般化座標を使ってラグランジュ方程式を表したとき、

一般化運動量

一般化力という。すると、これらの間には

という関係が成り立つ。

 ここからは、直交座標の成分も(x1,x2,…)と表すことにしよう。直交座標xiは、極座標(r,θ,φ)の式にもなっていたから、同様に、xiは一般化座標qiを使っても書けるはずだ。

だから、全微分の関係

を思い出して、全体をt微分すれば次のような式が成り立つことが分かる。

この式は、∑記号を使って次のように表される。

この式全体を、特定の・qjで偏微分すれば、右辺は・qjの”係数”だけが残る。

運動エネルギー


 直交座標における運動エネルギーTは、

と表される。ここに、一般化座標qを使った・xiの式を代入すると、

となるから、ここで

とおくと、

となる。